CDQ認証サイトの「専門性指数」は、保育士・看護師・作業療法士・理学療法士・言語聴覚士など、12種類の資格の中で、いくつの種類の専門職が在籍しているかを評価する指数です。
この記事では、専門性指数が高い施設に、実際どのような傾向が見られるのかを、データから確認していきます。
たとえば、
- 専門性指数が高い施設は、施設タイプにどんな傾向があるのか
- 専門職の「種類」を意識した配置を、どう打ち出しているのか
- 重複障害や医療的ケアへの対応を強みとしている施設が多いのか
- 専門職同士の連携を、具体的にどう説明しているのか
といった疑問に、データを見ながら答えていきます。
専門性指数が高い施設は、単に資格を持つスタッフが多いだけでなく、多職種が連携する体制そのものを強みとして打ち出している傾向があります。
私は協会の事務局長として、CDQ認証サイトの運営に関わる中で、専門性指数の高さは、その施設がどんな子どもの困りごとに対応しやすいかを知る、実践的な手がかりになると感じています。
この記事では、CDQ認証サイトに登録されている全国7,758施設のデータをもとに、専門性指数が高い施設に見られる特徴について整理していきます。
>CDQ認証基準とは?4つの評価指数の意味を解説|療育施設データシリーズ
目次
本記事で紹介している一次情報について
本記事では、CDQ認証サイトに登録されている、全国の児童発達支援・放課後等デイサービス施設の情報をもとにしています。
| 項目 | 内容 |
| データソース | CDQ認証サイト 施設情報データベース |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 対象施設数 | 7,758施設(全国47都道府県) |
| 専門性指数 | 保育士・看護師・OT・PT・STなど12種類の資格の在籍種類数をもとに算出(WAM NET掲載情報をもとに当協会が審査) |
| データ取得時点 | 2026年8月4日時点 |
| 分析方法 | 専門性指数の水準ごとに、施設タイプの分布と、施設の自己PR文を分析 |
今回の記事では、主に専門性指数の水準別に見た施設タイプの傾向と、自己PR文の内容を中心に扱います。
専門性指数の水準別にデータを見ると、次のような傾向が見られました。
- 専門性指数が高い施設ほど、複合型(放課後等デイサービス・児童発達支援の複合)の割合が高い
- 専門性指数が高い施設は、専門職の「種類」を意識した配置を打ち出している
- 重複障害や医療的ケアが必要な子どもへの対応を強みとする施設が多い
- 専門職同士の連携・アセスメントを明確に打ち出している施設もある
これらのデータからは、専門性指数の高さが、施設タイプや、施設が想定している支援の対象と、密接に関わっていることが分かります。
専門性指数が高い施設に見られる4つの傾向

データを整理すると、専門性指数が高い施設に見られる傾向は、大きく4つに分けられます。
ここからは、それぞれについて、実際のデータや記載も交えながら見ていきます。
① 専門性指数が高い施設ほど、複合型の割合が高い
専門性指数の水準別に、施設タイプの構成比を見ると、明確な傾向が見られます。
| 専門性指数 | 放課後等デイ・児童発達支援(複合型) | 放課後等デイサービス | 児童発達支援施設 |
| 2点(低い) | 41.3% | 44.4% | 14.3% |
| 3点 | 45.7% | 41.9% | 12.4% |
| 4点 | 53.0% | 33.2% | 13.7% |
| 5点(高い) | 58.7% | 18.0% | 23.3% |
このデータからは、専門性指数が高くなるにつれて、複合型(放課後等デイサービスと児童発達支援を併設)の施設の割合が増えていくことが分かります。
- 専門性指数2点では、放課後等デイサービス単独の施設が最も多い(44.4%)
- 専門性指数5点では、複合型の施設が半数以上を占める(58.7%)
- 複合型の施設は、幅広い年齢層・特性の子どもに対応する必要があるため、専門職の種類も多様になりやすい
- 施設タイプそのものが、専門性指数の傾向に大きく影響している
複合型の施設が多くの専門職を揃えている背景には、未就学児から就学後まで、幅広い発達段階の子どもに対応する必要があるという事情がうかがえます。
② 専門職の「種類」を意識した配置を打ち出している
専門性指数が高い施設の自己PR文には、専門職の多様性そのものを強みとして打ち出す記載が多く見られました。
実際の自己PR文にも、そうした特徴が見られました。
様々な専門家が多種多様なアプローチにより、一人ひとりに合わせた支援、療育を行っています。
専門職による個別または集団療育を行います。人とのかかわり合いの力や気持ちをコントロールする力を育てます。また、一人または集団で遊ぶ力や余暇の過ごし方を見つけていけるように支援します。
これらの記載からは、専門性指数が高い施設が、単に資格を持つスタッフが多いというだけでなく、多職種が連携して一人ひとりに合わせた支援を行うという方針を、明確に打ち出していることが分かります。
- 「多種多様なアプローチ」という言葉に、専門職の多様性への意識が表れている
- 個別療育と集団療育を組み合わせる方針も、多職種連携と関連していることが多い
- 「一人ひとりに合わせた支援」という表現が、専門性の高さと結びついて語られている
- 専門職の種類の多さが、支援の幅広さとして自己PRに反映されている
専門性指数が高い施設は、専門職の多様性を、支援の質を支える強みとして意識的に発信しています。
③ 重複障害や医療的ケアへの対応を強みとする施設が多い
専門性指数が高い施設の中には、重複障害や医療的ケアが必要な子どもへの対応力を、明確に打ち出している施設も見られました。
実際の自己PR文にも、そうした記載がありました。
看護師、言語聴覚士等、様々な専門職を配置しているため、重複障害の児童にも適切なサービスを提供できます。
この記載からは、専門職の種類の多さが、より複雑な困りごとを持つ子どもへの対応力に直結していることが分かります。
- 重複障害への対応には、複数の専門的な視点が必要になることが多い
- 看護師の配置は、医療的ケアが必要な子どもの受け入れに関わる重要な要素
- 専門職の多様性は、より幅広い子どもを受け入れる体制につながっている
- こうした施設は、特に医療的ケアや複合的な特性がある子どもの家庭にとって、選択肢の一つになる
専門職の種類の多さは、より複雑な困りごとを持つ子どもたちを受け入れる体制の土台になっています。
④ 専門職同士の連携・アセスメントを明確に打ち出している
専門性指数が高い施設の中には、専門職同士がどのように連携し、アセスメント(評価・見立て)を行っているかを、具体的に説明している施設もありました。
実際の自己PR文にも、そうした記載が見られました。
5領域に沿ったプログラム。遊び・運動・自然を通して、子どもたちがたくさんの経験を積むことができ、社会での生活を見据えて、日々の生活場面で”自己決定”する経験を積んでいく。専門職(PT/OT/ST)との連携をとりアセスメントを実施していく。
言語聴覚士の療育、音楽療法、作業療法士による感覚統合療育、ペアレント・トレーニング、ソーシャルスキルトレーニング。
これらの記載からは、専門職がそれぞれ独立して支援を行うのではなく、連携しながらアセスメントを重ね、複数のアプローチを組み合わせている様子が分かります。
- 専門職同士の連携が、支援の一貫性を保つ土台になっている
- アセスメントを明確なプロセスとして位置づけている施設もある
- 複数の療育手法(言語聴覚士の療育、音楽療法、感覚統合療育など)を組み合わせている
- こうした具体的な説明は、保護者にとって支援内容をイメージしやすくする材料になる
専門職同士の連携やアセスメントのプロセスを具体的に説明している施設は、支援の透明性という点でも、参考になる情報を提供しています。
>放課後等デイサービスはどう選べばいい?児発管が教える「本当に良い事業所」を見分ける6つの着眼点
専門性指数は、「複雑な困りごと」への対応力の目安になる
専門性指数の高さは、単純に「良い施設」を意味するものではありませんが、子どもの困りごとが複雑であるほど、参考にする価値が高まる指標だと言えます。
- 単一の困りごとであれば、専門性指数が低くても十分な支援が受けられることが多い
- 重複障害や、複数の特性が絡み合う場合は、専門性指数が高い施設が選択肢になりやすい
- 施設タイプ(複合型かどうか)も、専門性指数と関連して確認する価値がある
- 専門性指数だけでなく、実際の連携の様子を自己PR文や面談で確認することも大切
専門性指数は、子どもの困りごとの複雑さに応じて、参考にする度合いを調整しながら活用する指標です。
専門性指数が高い施設の特徴整理
| 特徴の傾向 | 具体的な内容 |
| 複合型施設の割合が高い | 幅広い発達段階への対応が背景にある |
| 専門職の「種類」を意識した配置 | 「多種多様なアプローチ」を自己PRで打ち出す |
| 重複障害・医療的ケアへの対応力 | 看護師・言語聴覚士等の配置を明記 |
| 専門職同士の連携・アセスメント | PT/OT/STの連携やアセスメントのプロセスを具体的に説明 |
安心して選べる放デイ・児童発達支援を探すために
放課後等デイサービス・児童発達支援は、
- スタッフ体制
- 支援内容
- 専門性
- 雰囲気
- 子どもとの相性
など、質の差が非常に大きいです。
どこを選べばいいか迷う場合は、 一定の基準を満たした施設を選ぶと安心できます。
CDQ認証サイトでは、認証基準をクリアした療育施設を一覧で確認でき、 質の担保された施設選びがしやすくなります。
私ども一般社団法人 人間力認定協会では、療育の質を見える化するプロジェクトとして「CDQ認証」という制度を設けました。本サイトでは一定の基準を満たした優良施設のみを掲載・紹介しています。
児童発達支援士について
ここまで、専門性指数が高い施設に見られる特徴についてご紹介してきました。
こうした施設選びの視点と合わせて、保護者の方やご家族、現場で働く支援員の方々の間でも、発達障害への理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定する「児童発達支援士」は、発達特性の理解や、行動の背景を読み解く視点、家庭や支援現場で活かしやすい関わり方などを、体系的に学べる民間資格です。
資格の有無が施設選びの基準になるものではありませんが、お子さまと日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|「専門性指数」が高い施設に関するよくある質問
Q1:専門性指数が低い施設は、避けたほうがよいのでしょうか?
そうとは限りません。子どもの困りごとの内容によっては、保育士を中心とした体制でも十分な支援が受けられます。専門性指数は、複雑な困りごとがある場合の参考情報として活用してください。
Q2:複合型(放課後等デイサービス・児童発達支援)の施設は、専門性指数が高くなりやすいのですか?
データ上、複合型の施設は専門性指数が高い傾向が見られます。ただし、すべての複合型施設が専門性指数が高いわけではなく、施設ごとの差もあります。
Q3:重複障害や医療的ケアが必要な場合、どんな施設を探せばよいですか?
看護師や言語聴覚士など、複数の専門職が在籍している施設が、選択肢の一つになります。自己PR文で医療的ケアへの対応が明記されているか確認することもおすすめです。
Q4:専門職同士の連携は、どうやって確認すればよいですか?
自己PR文に、専門職の連携やアセスメントのプロセスが具体的に書かれているかを確認する方法があります。気になる場合は、見学時に直接尋ねてみてください。
Q5:専門性指数だけで、施設を決めてもよいですか?
専門性指数は一つの参考情報です。保護者評価指数や透明性指数、実際の見学・相談も合わせて、総合的に判断することをおすすめします。
まとめ|専門性指数は、施設が想定する支援の幅広さを映し出す
CDQ認証サイトに登録されている全国7,758施設のデータを見ると、専門性指数が高い施設には、共通する特徴があることが分かりました。
- 専門性指数が高い施設ほど、複合型の割合が高い
- 専門職の「種類」を意識した配置を打ち出している
- 重複障害や医療的ケアへの対応を強みとする施設が多い
- 専門職同士の連携・アセスメントを明確に打ち出している
専門性指数は、単に資格を持つスタッフが多いかどうかではなく、その施設がどれだけ幅広い困りごとに対応できる体制を持っているかを映し出す指標です。
子どもの困りごとの複雑さに応じて、専門性指数を参考にしながら、施設選びを進めていくことが大切です。
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、CDQ認証サイトに登録されている全国の児童発達支援・放課後等デイサービス施設(7,758件)の情報をもとにまとめています。専門性指数は、WAM NET掲載情報をもとに当協会が定めた基準で算出したものであり、施設の支援の質そのものを完全に表すものではありません。施設を選ぶ際は、記事の内容を参考情報としつつ、各施設への直接の確認や見学を通じて、総合的に判断してください。


