児童発達支援・放課後等デイサービスの施設を探すとき、「何を基準に施設を比較すればよいのか分からない」という声は少なくありません。
たとえば、
- 施設の良さを、何をもとに判断すればよいのか分からない
- 保護者の満足度は、どうやって数字にできるのか疑問に思う
- 「専門性が高い」とは、具体的に何を指しているのか知りたい
- スタッフが長く働き続けられる施設かどうかを、事前に知る方法がない
- ウェブサイトの情報だけでは、施設の実態が見えにくい
といった疑問です。
CDQ認証は、こうした「見えにくさ」を、4つの指数という形で可視化する仕組みです。
私は協会の事務局長として、CDQ認証サイトの運営に関わる中で、保護者が施設を比較検討する際の判断材料が、これまで十分に整理されてこなかったと感じています。
この記事では、CDQ認証サイトが施設評価に用いている4つの指数(保護者評価指数・透明性指数・専門性指数・人材育成・定着度指数)について、それぞれが何を評価しているのかを解説していきます。
目次
本記事で紹介している一次情報について
本記事では、CDQ認証サイトが実施している施設評価の仕組みと、全国7,758施設の評価データをもとにしています。
| 項目 | 内容 |
| データソース | CDQ認証サイト 施設評価データベース |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 対象施設数 | 7,758施設(全国47都道府県) |
| 評価項目 | CDQ総合評価、保護者評価指数、透明性指数、専門性指数、人材育成・定着度指数(各1〜5) |
| データ取得時点 | 2026年8月4日時点 |
| 審査方法 | 保護者評価・透明性は当協会による目視・独自システムでの審査、専門性・人材育成定着度はWAM NET(独立行政法人福祉医療機構が運営する福祉・保健・医療の総合情報サイト)掲載情報をもとに当協会が審査 |
今回の記事では、CDQ総合評価を構成する4つの評価指数の設計と、その分布を中心に扱います。
7,758施設のデータを見ると、それぞれの指数には、次のような特徴が見られました。
- 保護者評価指数は平均4.71と高く、多くの施設で保護者からの評価が高い
- 透明性指数は平均3.56で、施設によるばらつきが比較的大きい
- 専門性指数は平均3.12と、4指数の中で最も低い水準にある
- 人材育成・定着度指数は平均3.55で、こちらも施設差が見られる
これらのデータからは、保護者からの満足度は総じて高い一方で、専門性や透明性、人材育成の面では、施設によって差が大きいことが分かります。
CDQを構成する4つの評価指数

CDQ総合評価は、性質の異なる4つの指数を組み合わせて算出されています。
ここからは、それぞれの指数が何を評価しているのかを見ていきます。
① 保護者評価指数 — 実際の利用者の満足度を数値化

保護者評価指数は、実際に施設を利用している保護者へのアンケートをもとに算出される指数です。
- 15〜29項目の質問に対して、「はい」「いいえ」「どちらでもない」などで回答してもらう形式
- 「はい(満足)」と答えた数を点数化し、1〜5の指数に変換している
- 「はい」の割合が多いほど、指数は5に近づく
- 保護者評価・透明性指数は、当協会が目視・独自システムを用いて審査している
7,758施設のうち、保護者評価指数が4点台の施設が1,472件、5点の施設が6,286件と、多くの施設で高い評価を得ています。この指数は、実際の利用者の生の声を最も直接的に反映した指標です。
② 透明性指数 — 保護者が必要とする情報の公開度

透明性指数は、施設のウェブサイトに、保護者が必要とする情報がどれだけ明記されているかを評価する指数です。
- 連絡先・問い合わせ先の明記、スタッフ情報の掲載、定期的な更新の有無など、10項目をチェック
- 該当する項目が多いほど、指数は5に近づく
- 保護者評価と同様、当協会が目視・独自システムを用いて審査している
透明性指数は、4点の施設が5,275件と最も多い一方、2点の施設も576件見られ、施設による情報公開の差が比較的大きい指数です。ウェブサイトでの情報公開は、保護者が事前に施設を比較検討する上で、重要な役割を果たしています。
>優良施設とCDQ認証施設の違いとは?|療育施設選びで見るべきポイントをわかりやすく解説
③ 専門性指数 — 専門職の「種類の多さ」を評価

専門性指数は、保育士・看護師・作業療法士・理学療法士・言語聴覚士など、12種類の資格の中で、いくつの種類の専門職が在籍しているかを評価する指数です。
- 対象となるのは12種類の資格
- 評価の基準は「在籍人数」ではなく「在籍する資格の種類の数」
- 例えば「保育士だけ5名在籍」より、「保育士・看護師・OT・PT・STが1名ずつ在籍」のほうが高く評価される
- 専門性・人材育成定着度指数は、WAM NET掲載情報をもとに当協会が審査している
専門性指数は、2点の施設が2,773件と最も多く、4指数の中で平均が最も低い水準にあります。これは、多くの施設が特定の職種(保育士など)を中心とした体制であり、複数の専門職を幅広く揃えている施設は、相対的に少ないことを示しています。
>療育施設の「専門性」で後悔しないために|見落とされがちなポイントとリアルな事例から学ぶ
④ 人材育成・定着度指数 — スタッフが育ち、働き続けられる環境か

人材育成・定着度指数は、スタッフの勤続年数や、研修への参加状況など、13項目をもとに評価される指数です。
- 全13項目のうち、該当する項目が多いほど、指数は5に近づく
- 勤続年数の長さや、研修参加の実績などが評価対象に含まれる
- 専門性指数と同様、WAM NET掲載情報をもとに当協会が審査している
人材育成・定着度指数は、3点の施設が3,080件と最も多く、施設によって取り組みの差が見られる指数です。この指数は、直接的には子どもへの支援内容を表すものではありませんが、スタッフが安定して働き続けられる環境であるかどうかは、支援の継続性や質にも間接的に関わってくる要素です。
>療育施設は「人」で選ぶべき理由|人材の定着率が子どもに与える影響とは?
それぞれの指数は、異なる角度から施設を映し出す
4つの指数は、それぞれ異なる情報源・異なる観点から施設を評価しています。
- 保護者評価指数:実際の利用者の満足度(当協会による審査)
- 透明性指数:情報公開の充実度(当協会による審査)
- 専門性指数:専門職の多様性(WAM NET情報をもとにした審査)
- 人材育成・定着度指数:スタッフの育成・定着状況(WAM NET情報をもとにした審査)
保護者評価指数が高くても、専門性指数が低い施設もあれば、その逆のケースもあります。どれか一つの指数だけで施設の良し悪しを判断するのではなく、4つの指数を組み合わせて見ることで、施設の全体像がより立体的に見えてきます。
総合評価だけでなく、指数ごとの内訳を見る意味
まず前提として、CDQ認証サイトに掲載されている施設は、一定の基準をクリアした施設のみです。掲載されているという時点で、すでに一定の水準を満たした施設であるとご理解いただけます。
そのため、「掲載されている施設の中からどこを選んでも大きく外れることはない」という安心感を持った上で、そこから先は、我が子に合った施設を見極めるという視点で選んでいくことができます。その際に役立つのが、総合評価だけでなく、4つの指数それぞれの内訳を見る視点です。
CDQ総合評価という一つの数字だけを見ると、施設の特徴が見えにくくなることがあります。
- 総合評価が同程度でも、指数の内訳(強み・弱み)は施設によって異なる
- 自分の子どもにとって重視したいポイントに応じて、注目すべき指数は変わる
- 例えば、専門的な支援を重視するなら専門性指数、情報の分かりやすさを重視するなら透明性指数に注目する
- 4つの指数を分けて見ることで、施設選びの解像度が高まる
総合評価という一つの数字だけでなく、4つの指数それぞれの内訳を見ることが、自分たちの家庭に合った施設を見つけるための、より実践的な視点になります。
4つの評価指数の整理
| 指数 | 評価の対象 | 審査方法 | 全国平均 |
| 保護者評価指数 | 実際の利用者の満足度(15〜29項目) | 当協会による審査 | 4.71 |
| 透明性指数 | ウェブサイトでの情報公開度(10項目) | 当協会による審査 | 3.56 |
| 専門性指数 | 在籍する専門職の種類の多さ(12種類対象) | WAM NET情報をもとに審査 | 3.12 |
| 人材育成・定着度指数 | 勤続年数・研修参加など(13項目) | WAM NET情報をもとに審査 | 3.55 |
安心して選べる放デイ・児童発達支援を探すために
放課後等デイサービス・児童発達支援は、
- スタッフ体制
- 支援内容
- 専門性
- 雰囲気
- 子どもとの相性
など、質の差が非常に大きいです。
どこを選べばいいか迷う場合は、 一定の基準を満たした施設を選ぶと安心できます。
CDQ認証サイトでは、認証基準をクリアした療育施設を一覧で確認でき、 質の担保された施設選びがしやすくなります。
私ども一般社団法人 人間力認定協会では、療育の質を見える化するプロジェクトとして「CDQ認証」という制度を設けました。本サイトでは一定の基準を満たした優良施設のみを掲載・紹介しています。
児童発達支援士について
ここまで、CDQ認証サイトが用いている4つの評価指数について解説してきました。
こうした施設選びの視点と合わせて、保護者の方やご家族、現場で働く支援員の方々の間でも、発達障害への理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定する「児童発達支援士」は、発達特性の理解や、行動の背景を読み解く視点、家庭や支援現場で活かしやすい関わり方などを、体系的に学べる民間資格です。
資格の有無が施設選びの基準になるものではありませんが、お子さまと日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|CDQ認証基準の4つの評価指数に関するよくある質問
Q1:CDQ総合評価は、4つの指数からどう算出されているのですか?
4つの指数(保護者評価指数、透明性指数、専門性指数、人材育成・定着度指数)を組み合わせて算出されています。個別の算出方法の詳細は、CDQ認証サイトをご確認ください。
Q2:専門性指数が低い施設は、支援の質が低いということですか?
そうとは限りません。専門性指数は「在籍する資格の種類の数」を評価するものであり、保育士を中心とした体制でも、丁寧な支援が行われている施設は多くあります。
Q3:透明性指数は、どんな項目をチェックしているのですか?
連絡先・問い合わせ先の明記、スタッフ情報の掲載、ページの定期的な更新など、ウェブサイト上で保護者が必要とする情報が公開されているかを、10項目でチェックしています。
Q4:人材育成・定着度指数が高い施設は、何が期待できますか?
勤続年数の長いスタッフや、研修に積極的に参加しているスタッフが多い傾向にあると考えられます。支援の継続性という観点で、一つの参考情報になります。
Q5:4つの指数のうち、どれを一番重視すればよいですか?
家庭ごとに重視したいポイントによって異なります。専門的な支援を求めるなら専門性指数、情報の分かりやすさを求めるなら透明性指数など、総合評価だけでなく内訳を確認することをおすすめします。
まとめ|4つの指数を組み合わせて見ることが、施設選びの解像度を高める
CDQ認証サイトでは、施設を4つの異なる角度から評価しています。
- 保護者評価指数:実際の利用者の満足度(平均4.71)
- 透明性指数:情報公開の充実度(平均3.56)
- 専門性指数:専門職の多様性(平均3.12)
- 人材育成・定着度指数:スタッフの育成・定着状況(平均3.55)
保護者評価と透明性は当協会による審査、専門性と人材育成・定着度はWAM NET掲載情報をもとにした審査と、それぞれ異なる方法で評価されています。
総合評価という一つの数字だけでなく、4つの指数の内訳を見ることが、自分たちの家庭に合った施設を見つけるための、より実践的な視点になります。
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、CDQ認証サイトが実施している施設評価の仕組みと、全国の児童発達支援・放課後等デイサービス施設(7,758件)の評価データをもとにまとめています。評価指数は、当協会が定めた基準に基づくものであり、施設の支援内容そのものを完全に表すものではありません。施設を選ぶ際は、記事の内容を参考情報としつつ、各施設への直接の確認や見学を通じて、総合的に判断してください。


