児童発達支援や放課後等デイサービスを利用しようと考えたとき、「どんな専門職が働いているのか」は、施設選びの大切な判断材料の一つです。
たとえば、
- 保育士はほとんどの施設にいるが、それ以外はどうなのか
- 作業療法士や理学療法士は、具体的に何をしてくれるのか
- 言語聴覚士や公認心理師がいる施設は、何が違うのか
- 資格を持つスタッフが多いほど、良い施設と言えるのか
- 施設によって、専門職の構成にどれくらい差があるのか
といった疑問です。
専門職の構成は、その施設がどんな支援を得意としているかを知る、分かりやすい手がかりの一つです。
私は協会の事務局長として、延べ5万人以上の保護者・支援者が学ぶ場の運営に関わる中で、施設選びに悩む保護者から、「どんな資格を持った人が働いているのか分からない」という声を数多く聞いてきました。
CDQ認証サイトでは、全国の児童発達支援・放課後等デイサービス施設の情報を収集し、専門性や透明性などの観点から評価を行っています。
この記事では、CDQ認証サイトに登録されている全国7,758施設のデータをもとに、児童発達支援・放課後等デイサービスに多い専門職について整理していきます。
>児童発達支援と放課後等デイサービスの違いとは?施設選びで失敗しないためのポイント
目次
本記事で紹介している一次情報について
本記事では、CDQ認証サイトに登録されている、全国の児童発達支援・放課後等デイサービス施設の情報をもとにしています。
| 項目 | 内容 |
| データソース | CDQ認証サイト 施設情報データベース |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 対象施設数 | 7,758施設(全国47都道府県) |
| 施設タイプ内訳 | 放課後等デイサービス・児童発達支援(複合型)47.5%/放課後等デイサービス37.9%/児童発達支援施設14.6% |
| 集計項目 | 施設種別、スタッフ保有資格、人材育成の取り組み、CDQ評価スコア(総合・保護者評価・透明性・専門性・人材育成定着度)、保護者の声など |
| データ取得時点 | 2026年8月4日時点 |
| 分析方法 | スタッフ保有資格欄に記載された職種を集計 |
今回の記事では、主にスタッフが保有する資格・専門職の在籍状況に関するデータを中心に扱います。
7,758施設のデータを集計すると、スタッフの保有資格として、次のような専門職が多く見られました。

- 保育士:5,145件(66.3%)
- 社会福祉士:1,526件(19.7%)
- 作業療法士:1,193件(15.4%)
- 理学療法士:1,133件(14.6%)
- 看護師:1,020件(13.1%)
- 言語聴覚士(言語機能訓練担当):922件(11.9%)
- 公認心理師:895件(11.5%)
- 精神保健福祉士:528件(6.8%)
これらのデータからは、保育士が施設の土台となる専門職として多くの現場に在籍している一方で、施設によって、体・ことば・心それぞれの専門職の配置に大きな差があることが分かります。
施設に多い専門職、4つのグループ
集計データを整理すると、施設に在籍する専門職は、大きく4つのグループに分けられます。
ここからは、それぞれの専門職について、役割も交えながら見ていきます。
① 保育士 — 最も多くの施設に在籍する専門職
保育士は、集計対象の7,758施設のうち5,145施設(66.3%)に在籍が確認された、最も多くの施設で見られる専門職です。
- 子どもの日常的な生活支援や遊びを通じた関わりを担う
- 集団の中での子どもの様子を、日々きめ細かく観察する役割を持つ
- 発達支援の土台となる、子どもとの信頼関係づくりに関わる
- 他の専門職と連携しながら、日々のプログラムを実施する中心的な存在になることが多い
保育士は、多くの施設において、子どもとの日常的な関わりを支える中心的な役割を担っています。
② 作業療法士・理学療法士 — 体の発達・動きを支える専門職
作業療法士(15.4%)と理学療法士(14.6%)は、体の使い方や動きの発達に関わる専門職です。
- 作業療法士は、日常生活動作や、手先の使い方、感覚統合などに関わる支援を専門とする
- 理学療法士は、姿勢やバランス、粗大運動(体全体を使う動き)などの発達を専門とする
- 協調運動の困難さや、感覚特性への配慮が必要な子どもへの支援に強みを持つことが多い
- 在籍する施設は、身体面の発達支援に力を入れている傾向がある
作業療法士・理学療法士が在籍する施設は、体の使い方や感覚面の特性への配慮を、専門的な視点から行える環境が整っていると考えられます。
③ 言語聴覚士・公認心理師 — ことばと心を支える専門職
言語聴覚士(11.9%)と公認心理師(11.5%)は、ことばの発達や、心理面の支援に関わる専門職です。
- 言語聴覚士は、発語やことばの理解、コミュニケーションに関する支援を専門とする
- 公認心理師は、心理的なアセスメントや、心のケアに関する専門知識を持つ
- ことばの遅れやコミュニケーションの困難さに悩む保護者にとって、心強い存在になりうる
- 心理面での不安や、二次障害への配慮が必要な場面でも、専門的な視点が活かされる
言語聴覚士・公認心理師が在籍する施設は、ことばの発達や心理面のサポートに、専門的な体制を持っていると考えられます。
④ 社会福祉士・精神保健福祉士・看護師 — 生活と健康を支える専門職
社会福祉士(19.7%)、精神保健福祉士(6.8%)、看護師(13.1%)は、生活全般や健康面を支える専門職です。
- 社会福祉士は、福祉制度の活用や、関係機関との連携・調整を専門とする
- 精神保健福祉士は、精神的な健康や、家族を含めた支援を専門とする
- 看護師は、医療的なケアが必要な子どもへの対応や、健康管理を担う
- 家庭・学校・医療機関など、複数の関係先との橋渡し役になることが多い
これらの専門職が在籍する施設は、福祉制度の活用や、関係機関との連携において、専門的なサポートを受けやすい環境にあると考えられます。
>ことばが遅い子どもへの関わり方|言語聴覚士に聞いた、発達を促す「5つのステップ」と日常の工夫
専門職の「数」だけでなく「組み合わせ」に注目する
専門職の在籍状況を見るとき、「資格を持つスタッフが多いほど良い」と単純に捉えてしまいがちです。
しかし、データを見ていく上で大切なのは、専門職の数だけではなく、その子の困りごとに合った専門職が在籍しているかという視点です。
- 体の使い方に困りごとがあるなら、作業療法士・理学療法士の在籍
- ことばの発達に困りごとがあるなら、言語聴覚士の在籍
- 心理面の不安が大きいなら、公認心理師の在籍
- 家庭・学校との連携に不安があるなら、社会福祉士の在籍
といったように、子どもの困りごとと専門職の専門性を照らし合わせる視点が、施設選びにおいて役立ちます。
保育士を土台に、専門職が連携する体制
多くの施設では、保育士を土台としながら、そこに複数の専門職が加わることで、多角的な支援体制を築いています。
- 保育士が日々の生活の中で気づいた変化を、専門職につなげる
- 専門職からの専門的な視点を、保育士が日常の関わりに落とし込む
- 職種を超えた連携が、子ども一人ひとりに合った支援につながる
- 専門職の「数」だけでなく、「連携のしやすさ」も施設の質を左右する
専門職同士がどのように連携しているかは、データだけでは見えにくい部分もあるため、実際に施設を見学・相談する際に確認してみる価値があります。
>見学でどこを見る?児童発達支援・放課後等デイサービスが良い施設か見極める5つのチェックリスト
専門職構成の整理
| 専門職グループ | 在籍率 | 主な役割 |
| 保育士 | 66.3% | 日常的な生活支援・関わりの土台 |
| 作業療法士・理学療法士 | 15.4%/14.6% | 体の使い方・動きの発達支援 |
| 言語聴覚士・公認心理師 | 11.9%/11.5% | ことば・心理面の支援 |
| 社会福祉士・精神保健福祉士・看護師 | 19.7%/6.8%/13.1% | 生活・健康面、関係機関との連携 |
施設選びで専門職構成を確認するときのポイント
施設選びの際に、専門職構成を確認することは、その施設の得意分野を知る手がかりになります。
- 子どもの困りごとに関連する専門職が在籍しているかを確認する
- 専門職の「在籍」と「常勤・非常勤」など関わる頻度は別であるため、気になる場合は施設に確認する
- 専門職の数だけでなく、実際にどう連携しているかも聞いてみる
- 資格の有無だけでなく、施設全体の雰囲気や、子どもとの相性も大切にする
専門職構成は、施設選びの一つの手がかりであり、それだけがすべてを決めるものではありません。実際の見学や相談も合わせて、総合的に判断することが大切です。
安心して選べる放デイ・児童発達支援を探すために
放課後等デイサービス・児童発達支援は、
- スタッフ体制
- 支援内容
- 専門性
- 雰囲気
- 子どもとの相性
など、質の差が非常に大きいです。
どこを選べばいいか迷う場合は、 一定の基準を満たした施設を選ぶと安心できます。
CDQ認証サイトでは、認証基準をクリアした療育施設を一覧で確認でき、 質の担保された施設選びがしやすくなります。
私ども一般社団法人 人間力認定協会では、療育の質を見える化するプロジェクトとして「CDQ認証」という制度を設けました。本サイトでは一定の基準を満たした優良施設のみを掲載・紹介しています。
児童発達支援士について
ここまで、CDQ認証サイトのデータをもとに、児童発達支援・放課後等デイサービスに多い専門職についてご紹介してきました。
こうした専門職と合わせて、保護者の方やご家族、現場で働く支援員の方々の間でも、発達障害への理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定する「児童発達支援士」は、発達特性の理解や、行動の背景を読み解く視点、家庭や支援現場で活かしやすい関わり方などを、体系的に学べる民間資格です。
資格の有無が施設選びの基準になるものではありませんが、お子さまと日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|児童発達支援・放課後等デイサービスに多い専門職に関するよくある質問
Q1:保育士しかいない施設は、支援の質が低いのでしょうか?
そうとは限りません。保育士は、子どもとの日常的な関わりを支える重要な専門職です。専門職の種類だけでなく、実際の支援内容や、施設の雰囲気も含めて判断することが大切です。
Q2:作業療法士や理学療法士がいる施設は、どんな子どもに向いていますか?
体の使い方や、感覚面の特性に困りごとがある子どもにとって、専門的な支援を受けやすい環境と言えます。ただし、必ずしもすべての子どもに必要というわけではありません。
Q3:言語聴覚士がいる施設を選んだほうがよいのは、どんな場合ですか?
発語の遅れや、ことばでのコミュニケーションに困りごとがある場合、言語聴覚士が在籍する施設は、専門的な支援を受けやすい選択肢の一つになります。
Q4:専門職の在籍状況は、どこで確認できますか?
CDQ認証サイトなど、施設情報を公開しているサイトで確認できる場合があります。気になる施設があれば、直接問い合わせて確認することもおすすめします。
Q5:専門職が多い施設ほど、料金が高くなりますか?
必ずしもそうとは限りません。放課後等デイサービス・児童発達支援は、多くの場合、児童福祉法に基づく公的な制度の中で利用されるため、料金体系は専門職の数だけで決まるものではありません。詳細は各施設や自治体にご確認ください。
まとめ|専門職構成は、施設の得意分野を知る手がかりになる
CDQ認証サイトに登録されている全国7,758施設のデータを見ると、児童発達支援・放課後等デイサービスには、さまざまな専門職が在籍していることが分かりました。
- 保育士は、多くの施設で支援の土台となる専門職である
- 作業療法士・理学療法士は、体の使い方や動きの発達を支える
- 言語聴覚士・公認心理師は、ことばと心理面の支援を担う
- 社会福祉士・精神保健福祉士・看護師は、生活・健康面と関係機関との連携を支える
専門職の在籍状況は、その施設がどんな支援を得意としているかを知る、分かりやすい手がかりの一つです。
子どもの困りごとと専門職の専門性を照らし合わせながら、実際の見学や相談も合わせて、総合的に施設を選んでいく視点が大切です。
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、CDQ認証サイトに登録されている全国の児童発達支援・放課後等デイサービス施設(7,758件)の情報をもとにまとめています。掲載内容は各施設からの申告に基づくものであり、実際の支援体制は施設によって異なります。施設を選ぶ際は、記事の内容を参考情報としつつ、各施設への直接の確認や見学を通じて、総合的に判断してください。


