二次障害とは、 発達特性そのものではなく、環境とのミスマッチや理解不足によって後から生じる心身の不調 を指します。
学校・友人・家庭・学習・先生との関係など、 子どもを取り巻く環境のどこかが合わないと、 不安・抑うつ・心身症・不登校・暴力・自傷など、 深刻な二次障害につながることがあります。
私は協会の事務局長として、延べ5万人以上の保護者・支援者が学ぶ場の運営に関わる中で、 二次障害に苦しむ子どもたちの声を数多く聞いてきました。
この記事では、 保護者や支援者より頂いた実際の声(一次情報) と 二次障害を理解するための知識 に分けて総まとめします。
>子どもの二次障害とは|保護者の声と理解のための知識を整理する
目次
子どもの二次障害に関する調査概要
- 調査名:子どもの二次障害に関する調査
- 調査目的:子どもの二次障害に関する実態を把握するため
- 調査対象:発達障害のある子どもを支援する保護者・支援者
- 有効回答数:63名
- 調査方法:Webアンケート調査
- 募集期間:2023年1月~2026年1月(継続的な調査)
- 調査主体:一般社団法人 人間力認定協会
- 作成責任者:事務局長 望月宏彰
子どもの二次障害に関する保護者の声まとめ

実際に児童発達支援士を受講した保護者や支援者から寄せられた一次情報を総合すると、 二次障害の背景には大きく6つのパターンが存在します。
① 学校の先生との関係によるストレス
「教科書を返してと言われ、1時間教科書なしで過ごした」
「担任の理解不足で不登校に」
「先生があだ名でバカにし、暴力も受けた」
教師の理解不足・叱責・不適切な指導は、 子どもの心を深く傷つけ、二次障害の大きな要因になります。
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学校の先生との関係が原因で起こる二次障害|保護者の声と理解のための知識を整理
② 学習のつまずきによる自信喪失・不安
「板書が間に合わず、点数が急落した」
「漢字テストが0点続きで学習意欲がなくなった」
「ディスレクシアと分かるまで苦しんでいた」
学習障害(LD)は気づかれにくく、 “努力不足”と誤解されやすい領域です。
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学習のつまずきが原因で起こる二次障害|保護者の声と理解のための知識を整理
③ 友人関係・いじめによる心の傷
「誰も話しかけてくれず、いつも1人だった」
「兄の妹だと分かるといじめに遭った」
「先生+生徒からのいじめで転校した」
孤立・いじめは、 不安・対人恐怖・不登校などの二次障害に直結します。
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友人関係・いじめが原因で起こる二次障害|保護者の声と理解のための知識を整理
④ 家庭内の関係によるストレス
「兄から毎日嫌なことをされ、強迫行動が出た」
「親の関わり方が誤っていて、愛着形成がうまくいかなかった」
家庭内のストレスは外から見えにくく、 長期化しやすい特徴があります。
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家庭内の関係が原因で起こる二次障害|保護者の声と理解のための知識を整理
⑤ 外在化障害(暴力・暴言・自傷・反抗など)
「壁に頭を打ち付けていた」
「先生に突進して噛みつこうとした」
「包丁を向けてくるほど追い詰められた」
行動でSOSを出すタイプの子どもは、 誤解されやすく、支援につながりにくい傾向があります。
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外在化障害(暴力・暴言・自傷・反抗など)として現れる二次障害|保護者の声と理解のための知識を整理
⑥ 内在化障害(不安・抑うつ・心身症・不登校など)
「死にたいと言うようになった」
「外に出られず、宅配の人も怖い」
「起立性調節障害で学校に行けなくなった」
内在化は“見えないSOS”であり、 気づいたときには深刻化していることもあります。
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内在化障害(不安・抑うつ・心身症・不登校など)として現れる二次障害|保護者の声と理解のための知識を整理
二次障害につながりやすかった環境ストレスの共通点
| 二次障害につながりやすかったこと | 背景にあった環境要因 |
| 学校に行けなくなった | 理解不足や叱責が続いていた |
| 暴力・暴言・自傷が増えた | 言葉にできない苦しさが限界に達していた |
| 「死にたい」と話すようになった | 孤立感や自己否定感が強くなっていた |
| 学習意欲を失ってしまった | “努力不足”と誤解され続けていた |
| 支援につながって落ち着き始めた | 環境調整や理解が安心感につながった |
二次障害を理解するための知識
ここからは、二次障害の背景を理解するためのポイントを整理します。
① 二次障害は“環境とのミスマッチ”で起こる
発達特性そのものではなく、
- 理解されない
- 叱責され続ける
- できないことを責められる
- いじめ・孤立が続く
- 過度な期待をかけられる
こうした環境要因が重なることで発生します。
② 二次障害は“内在化”と“外在化”の2タイプに分かれる
内在化(内に向かう)
- 不安
- 抑うつ
- 心身症
- 不登校
- 引きこもり
外在化(外に向かう)
- 暴力
- 暴言
- 自傷
- 反抗
- 家出
どちらも“困っているサイン”であり、 子どもが悪いわけではありません。
③ 早期発見・早期支援が回復の鍵
- 「もっと早く気づいていれば」
- 「無理に登校させなければよかった」
- 「支援につながってから改善した」
という声が非常に多く見られました。
④ 二次障害は“長期化しやすい”が、適切な支援で回復できる
- 学校の理解
- 家庭の関わり方
- 医療・心理支援
- 環境調整
- 得意を伸ばす関わり
これらが整うことで、 長期化したケースでも回復が見られています。
家庭での関わりを整えるために役立つ学び
二次障害の背景には、 発達特性と環境のミスマッチが深く関わっています。
「なぜこの行動が起きているのか」 「どんな関わり方が子どもに合っているのか」 こうした“考え方の軸”があると、 二次障害の予防・早期発見につながります。
児童発達支援士では、 発達特性の理解や家庭での関わり方など、 子どもの心を守るための基礎知識 を学ぶことができます。

Q&A|二次障害に関するよくある質問
Q1:二次障害は病名ですか?
医学的な正式診断名ではありません。 “環境とのミスマッチによる心身の不調”を説明する概念です。
Q2:どんな子が二次障害になりやすいですか?
- 我慢しやすい
- 自分を責めやすい
- 困りごとを言語化しにくい
- 周囲に合わせようと頑張りすぎる といった子がなりやすい傾向があります。
Q3:不登校は二次障害ですか?
はい。 不登校は“怠け”ではなく、心身が限界に達した結果の防衛反応です。
Q4:暴力・暴言はしつけの問題ですか?
いいえ。 多くの場合、言葉にできない苦しさが行動として現れたSOS です。
Q5:心身症(頭痛・腹痛など)は本当にストレスが原因ですか?
はい。 保護者や支援者からいただいた声でも、ストレスが身体症状として現れるケースが多数あります。
Q6:学校に無理に行かせるべきですか?
いいえ。 無理な登校は悪化の引き金になります。
Q7:家庭内のストレスでも二次障害は起こりますか?
はい。 兄弟関係・親の関わり方・家庭の緊張などが原因になることがあります。
Q8:学習障害(LD)は気づかれにくいのですか?
非常に気づかれにくいです。 “努力不足”と誤解されやすい領域です。
Q9:二次障害は治りますか?
適切な支援・環境調整があれば回復できます。 長期化したケースでも改善例が多くあります。
Q10:親ができることは何ですか?
- 子どものサインに気づく
- 無理をさせない
- 学校・医療・支援機関と連携する
- 得意を伸ばす これらが大きな支えになります。
まとめ:二次障害は“気づきと環境調整”で防げる
シリーズ全体を通して見えてきたのは、 二次障害は“子どもが悪い”から起こるのではなく、 理解されない環境が続いた結果として生じるストレス反応 だということです。
- 気づく
- 無理をさせない
- 支援につながる
- 環境を整える
これらが、子どもの心を守る大切な鍵になります。
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、 児童発達支援士の受講者アンケートなどに寄せられた 実際の声 をもとにまとめています。
症状や感じ方には 個人差 があり、 すべての子どもに同じ変化が起こるわけではありません。
心身の不調が続く場合は、 必ず 医療機関や専門家に相談 してください。 この記事は、迷いを整理するための参考情報としてご活用ください。

