- 朝になると「幼稚園(保育園)行きたくない」と泣いてしまい、毎日のように登園前が大変になる
- 無理に連れて行くべきか、それとも休ませた方がいいのか分からず悩んでいる
- 「今日は休ませようかな」と思う一方で、「休ませるとクセになるのでは」と不安になる
子どもの登園しぶりが続くと、「どう対応するのが正解なのだろう」と朝から疲れ果て、悩んでしまう保護者の方は非常に多いのではないでしょうか。
登園しぶりには、子どもなりの理由や気持ちが隠れていることも少なくありません。しかし、家庭の状況や保護者の方の働き方もさまざまであり、「必ず登園させた方がいい」「休ませた方がいい」と一つの答え(正解)を簡単に出せるものではありません。
だからこそ大切なのは、「必ず登園させる」「休ませる」と答えを急ぐのではなく、その日の子どもの気持ちや家庭の状況に合わせて関わり方を選択することです。
今回は、登園しぶりが起こる理由や、朝のルーティンの工夫、子どもへの具体的な声かけ、そして園との連携のポイントについて、保育士と母親の両方の経験をもとにお伝えします。親自身も気持ちに余裕を持てる選択をしながら、親子に合った登園の形を少しずつ見つけていきましょう。
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目次
この記事でわかること
- 「行きたくない」という言葉の奥に隠れた子どもの多様な気持ち
- 朝の支度がスムーズになる、選択肢を減らしたルーティンの工夫
- 子どもの気持ちを否定せず受け止める声かけのポイント
- 「休ませるとクセになる?」という不安との向き合い方と事前の約束
- 担任の先生に朝の家庭での様子を共有し、一緒に子どもを見守る連携方法
- 親自身が「こうしなければ」と思い詰めすぎず、気持ちに余裕をもてる考え方
なぜ「行きたくない」が続くの?登園しぶりが起こる理由
「幼稚園(保育園)に行きたくない」と言われると、親としては「園で何かあったのだろうか」「ただのわがままなのかな」と不安になることもありますよね。しかし、「行きたくない」という言葉だけで理由を決めつけることはできません。
登園しぶりの背景にある様々な理由

- 身体的な要因:
子どもなりに日々の疲れがたまっている、眠気が残っている。 - 集団生活の要因:
お友達との出来事が気になっている、新しい活動へのプレッシャー。 - 環境の変化:
進級やクラス替え、担任の先生が変わったことへの不安。 - 家庭への愛着:
「もっと家で過ごしたい」という安心感、保護者と離れる寂しさ。
保育士として働いていた頃の私は、「園に来ることができれば楽しく遊び始める子も多いから、まずは頑張って登園してもらうことが大切」と考えて接していました。しかし、いざ自分が親になって毎朝子どもを送り出す立場になると、「今日は本当に行かせて大丈夫なのかな」「少し休ませた方がいいのかな」と迷う保護者の方の気持ちが、痛いほどよく分かるようになりました。
朝は気持ちの切り替えが特に難しい時間
朝は大人でも気持ちを切り替えるのが難しい時間帯です。子どもにとってはなおさら、大好きな家や保護者と離れる寂しさが強く出る瞬間でもあります。
私自身の娘も、園が大好きで「お休みの日も行きたい」と話す子でしたが、年少になった頃から、教室へ入る直前になると急に泣くようになりました。家を出るまでは普段通りでも、準備が終わって「じゃあ行こう」となると涙が出てしまうのです。理由を聞くと、「保育園は楽しいけど、ママとバイバイするのは寂しい」とのことでした。
「行きたくない」と言う理由は、「園が嫌いだから」とは限りません。 涙だけで判断せず、朝という時間帯だからこそ気持ちの切り替えが難しくなっている場合もあると知っておくだけでも、少し気持ちがラクになるはずです。
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実践1|朝の流れをルーティン化して気持ちを切り替えやすくする
子どもは、「次に何をするのか(見通し)」が分かると安心して行動しやすくなります。 朝の時間帯に「何を着る?」「先にご飯にする?」「まだ遊んでいる?」など、子どもが選んだり考えたりする場面(選択肢)が多いと、その分時間がかかり、迷うことで脳も疲れやすくなります。その結果、「まだ遊びたい」「ママと一緒にいたい」という気持ちが大きくなって、次の行動へ移ることが難しくなるのです。
親子ともに余裕を持って朝を迎えるために、以下の2つの工夫を取り入れてみましょう。
① 起きてから出発までの流れを毎日固定する
毎日同じ流れで過ごすことで、子ども自身が見通しを持って自発的に動きやすくなります。
【朝の基本ルーティン例】
起きる ➔ 着替える ➔ 朝ごはんを食べる ➔ 歯磨きをする ➔ 家を出る
② 選択肢を減らして迷う場面を少なくする
朝に考えるべきタスクを前夜のうちに減らしておくことで、登園前の時間を少し落ち着いて過ごせるようになります。
| 準備の工夫 | 具体的なアクション |
| 服の準備 | 前日の夜のうちに、翌日着る服を子どもと一緒に選んで用意しておく。 |
| 朝食のメニュー | メニューをある程度決めておき、朝から「何食べる?」と迷わせない。 |
| 持ち物の用意 | 園バッグや提出書類など、持ち物はすべて前日に用意を済ませておく。 |
もちろん、ルーティンを作ればすぐに登園しぶりがゼロになるわけではありません。それでも、毎朝同じ流れを意識することは、子どもの情緒の安定に大きく貢献します。
実践2|子どもの気持ちを受け止めながら、切り替えるきっかけを作る
登園しぶりがある時は、「行きたくない」という気持ちをまずはしっかりと受け止めたうえで、次の行動へ移るきっかけ(区切り)を作ってあげることが大切です。
ステップ1:まずは「行きたくない」気持ちを言葉にして返す
「もう時間だよ」「頑張って行こう」とつい正論で説得したくなりますが、気持ちを否定されたり急かされたりすると、子どもは「分かってもらえなかった」と感じてさらに涙が止まらなくなります。
- 「今日は行きたくない気持ちなんだね」
- 「ママと離れるのが寂しいんだね」
- 「お家で過ごしたいと思う日もあるよね」
※ここがポイント
気持ちを受け止めることは、「子どもの言う通りにして、何でも休ませる」ということではありません。「自分の気持ちを分かってもらえた」という安心感が心の土台となり、その後の行動へ進むパワーに繋がります。
ステップ2:短く分かりやすく、切り替えるタイミングを作る
気持ちを受け止めた後は、長く説得し続けるよりも、次の行動へ移るきっかけを作ってあげましょう。「もう大丈夫?」「本当に行ける?」と何度も確認すると、かえって子どもの不安が大きくなったり、離れにくくなったりします。
- 「じゃあ、ぎゅっとハグしたら行こうね」
- 「先生のところまで一緒に行こうね」
「泣かせないこと」を目指すのではなく、子どもが気持ちを切り替えられるきっかけを作ることを意識して、短く分かりやすい声かけでつなげてみましょう。
実践3|家庭と園の連携・親の心のゆとりを持てる選択
登園しぶりが続く時は、家庭だけで何とかしようと孤軍奮闘せず、園の先生と一緒に子どもの様子を見ていくことが何より大切です。
朝の様子を園に共有する
保育士は園での元気な姿を見ることはできますが、朝の家庭でどれだけ泣いていたのか、家を出るまでにどんなやり取りがあったのかまでは見えません。家庭での様子を伝えることで、先生側もその日の子どもの状態に合わせた手厚い見守りがしやすくなります。
- 「家を出るまでにすごく時間がかかってしまいました」
- 「『ママと離れるのが寂しい』と家でずっと話していました」
- 「少し寝不足(または疲れ)がありそうです」
私も保育士時代、保護者の方から泣いているお子さんを抱っこで受け入れる際、朝の様子を聞いていると「今日はいつもより不安が強そうだな、少し長めに気持ちを受け止めながら関わろう」と、その子に合わせた適切な対応を意識することができました。 現在は私自身も親として、登園をしぶる娘を「お願いします」と先生に託して送り出しています。親一人で何とかしようとするのではなく、プロである先生に受け止めてもらうことで、子どもも少しずつ気持ちを切り替えることができます。
親も気持ちに余裕を持てる選択をする
「仕事に遅れられない」「一度休ませたらクセになるかもしれない」と思うほど、親の側も気持ちの余裕がなくなり、その焦りが子どもに伝わって余計にしぶるという悪循環に陥りがちです。
保育士の頃の私は「まずは園まで来てもらえれば、あとは私たちが何とかする」と考えていましたが、親になってからは、仕事や家庭の事情の中で「毎日同じように完璧に登園させること」の難しさを痛感しました。
毎日同じ対応を続けることに固執せず、「少し遅れて登園する日があってもいい」「早めにお迎えに行く日があってもいい」「どうしてもつらい日は、思い切って休む日があってもいい」と、その日の状況に合わせた選択肢を持っておきましょう。親の気持ちに余裕が生まれることで子どもも安心しやすくなり、結果として登園しぶりが少しずつ落ち着いていくことも多いのです。
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さいごに|登園しぶりへの対応と親子に合った向き合い方
登園しぶりが続くと、「自分の育て方が悪いのかな」と親として悩むのはごく自然なことです。しかし、子どもの性格や家庭の状況はそれぞれ異なるため、登園しぶりに「たった一つの正解」はありません。
大切なのは、家庭だけで抱え込まず、朝の様子や子どもの気持ちを園と共有しながら、「その子と、そのご家庭に合った関わり方」を一緒に考えていくことです。
焦ってすぐに答えを出そうとしなくても大丈夫です。親自身が「こうしなければ」と思い詰めすぎず、無理をしすぎない形で、それぞれの親子に合った登園のスタイルを少しずつ見つけていきましょう。
Q&A|よくある質問
Q1. 毎朝のように激しく泣くときは、無理に連れていかずに休ませた方がいいのでしょうか?
A. 毎朝泣くからといって、必ずしも休ませた方がいいとは限りません。まずは朝の様子を園に伝え、登園後に子どもがどのように過ごしているかを確認してみましょう。 朝の涙は、眠気や疲れ、一時的な「保護者と離れる寂しさ」による情緒の揺れであるケースも非常に多いです。家では大泣きしていても、園に到着して親の姿が見えなくなると、数分ですぐに切り替えてお友達と元気に遊び始める子もたくさんいます。一方で、不安な気持ちを園でも引きずっている子もいます。登園後のリアルな様子を担任の先生と共有してもらいながら、「今後はどのようなタイミングで声をかけ、どのように関わっていくとよいか」を一緒に考えていくことが大切です。
Q2. 「今日はつらいから休もうか」と一度休ませてしまうと、それがクセになって翌日からますます行きたがらなくなるのではと怖いです。
A. 休ませたからといって、それだけで登園しぶりがクセになるとは限りません。不安なときは、「その日限りの約束」として言葉で伝えておくのが効果的です。 保護者として「明日からも毎日行きたくないと言われたらどうしよう」と心配になるのは当然のことです。もし休ませたり、早めにお迎えに行ったりする場合は、子どもに分かりやすく「今日は特別にお休み(早迎え)だけれど、明日はママ(パパ)もお仕事(用事)があるから、保育園に行く日だからね」「明日の朝は、泣かずにバイバイしようね」など、あらかじめ約束として伝えておきましょう。大切なのは「休むか・登園するか」の二者択一ではなく、その日の子どもの体力や家庭の状況に合わせて柔軟に考えることです。親も無理をせず、園と共有しながら進めていきましょう。
Q3. この毎朝の登園しぶりは、一体いつまで続くのでしょうか?先の見えない毎日に疲れてしまいました。
A. 登園しぶりが続く期間には大きな個人差があり、はっきりと「いつまで」と言うことは難しいですが、子どもの安心感や環境への適応に伴って必ず少しずつ落ち着いていきます。 毎朝の支度や送り出しだけでエネルギーを使い果たしてしまい、「このままずっと嫌がったらどうしよう」と不安になるお気持ちはとてもよく分かります。新しいクラスや環境に慣れることで自然と落ち着く子もいれば、進級当初は平気だったのに、しばらく経って疲れが出たり、運動会などの行事前の緊張をきっかけに一時的にしぶりが強くなったりする子もいます。だからこそ、保護者の方が一人で抱え込みすぎないことが最優先です。園での様子を聞いて安心材料をもらったり、家庭での朝の大変さを先生に聞いてもらったりしながら、親子で無理をしすぎない形をゆっくり探していきましょう。
【注意事項】
本記事は、児童発達支援管理責任者、心理カウンセラー、言語聴覚士をはじめとする専門家個人の知見や経験、学術的背景に基づいて執筆・監修されたものです。子どもの特性や発達の状況、支援との相性には大きな個人差があり、すべての子どもに同様の効果や変化を保証するものではありません。また、本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の診断や医療行為、個別の療育指導に代わるものではありません。実際に支援方法や対応を判断される際は、必要に応じてお子様を普段から知る主治医や専門家、支援機関などにご相談の上、ご自身の判断のもとで参考情報としてご活用いただきますようお願いいたします。



