二次障害とは、 発達特性そのものではなく、環境とのミスマッチや理解不足によって後から生じる心身の不調 を指します。 その中でも見落とされやすく、深刻化しやすいのが 家庭内の関係が原因で起こる二次障害 です。
私は協会の事務局長として、延べ5万人以上の保護者・支援者が学ぶ場の運営に関わる中で、 「家庭の中でのストレスが一番大きかった」 「親の関わり方が誤っていて、子どもを追い詰めてしまった」 という声を数多く聞いてきました。
この記事では、 当協会に寄せられた保護者や支援者の声(一次情報) と 家庭内の関係が二次障害につながる背景を理解するための知識 を分けて整理します。
>外在化障害(暴力・暴言・自傷・反抗など)として現れる二次障害|保護者の声と理解のための知識を整理
子どもの二次障害に関する調査概要
- 調査名:子どもの二次障害に関する調査
- 調査目的:子どもの二次障害に関する実態を把握するため
- 調査対象:発達障害のある子どもを支援する保護者・支援者
- 有効回答数:63名
- 調査方法:Webアンケート調査
- 募集期間:2023年1月~2026年1月(継続的な調査)
- 調査主体:一般社団法人 人間力認定協会
- 作成責任者:事務局長 望月宏彰
家庭内の関係によって生じた二次障害

実際に児童発達支援士を受講した保護者や支援者から寄せられた声を分析すると、 家庭内のストレスが原因で起こる二次障害には、明確なパターンがあります。
① 兄弟関係のストレスが二次障害につながる
「兄から毎日嫌なことをされ、強迫行動が出た」
「兄の特性に気づかず、妹が長期にわたり不安・抑うつを抱えた」
兄弟間のトラブルは、 外から見えにくい分、深刻化しやすい特徴があります。
② 親の関わり方の誤りが子どもを追い詰めるケース
「普通に育つはずと期待しすぎ、愛着形成がうまくいかなかった」
「否定や修正ばかりで、子どもの自己肯定感が下がった」
「無理をさせ続けた結果、自傷やうつ状態になった」
親が悪いわけではありませんが、 特性理解がないまま“普通”を求め続けると、子どもは深く傷つきます。
③ 家庭内のストレスが外在化障害として現れる
「壁を蹴る、暴言を吐く、爪を立てる」
「包丁を向けてくるほど追い詰められた」
「家を飛び出す、家出を繰り返す」
言葉でSOSを出せない子どもほど、 行動で苦しさを表現することがあります。
④ 家庭内のストレスが内在化障害として現れる
「死にたいと言うようになった」
「昼夜逆転、食事が取れない、風呂に入れない」
「人の目が怖くなり、外に出られなくなった」
家庭内のストレスは、 不安・抑うつ・心身症などの内在化障害につながりやすい特徴があります。
>内在化障害(不安・抑うつ・心身症・不登校など)として現れる二次障害|保護者の声と理解のための知識を整理
家庭内のストレスで起こりやすかった二次障害の共通点
| 家庭内で見られやすかった変化 | 背景にあったストレスや関係性 |
| 暴言・家出・自傷が増える | 家庭内に安心感が少なくなっていた |
| 「死にたい」と話すようになる | 否定や孤立感が積み重なっていた |
| 兄弟関係で不安定になる | 長期的なストレスを抱え込んでいた |
| “普通にして”と言われ続け苦しくなる | 特性理解のない期待が負担になっていた |
| 家では荒れるが外では頑張りすぎる | 家庭が唯一感情を出せる場所になっていた |
家庭内の関係が二次障害につながる理由
ここからは、家庭内の関係が二次障害につながる背景を整理します。
① 家庭は“逃げ場がない”ためストレスが蓄積しやすい
学校や友人関係と違い、家庭は毎日向き合う場所です。
- 兄弟関係
- 親の期待
- 叱責・否定
- 過度な指導
- 家庭内の緊張感
これらが続くと、 子どもは心身の限界を迎えやすくなります。
② 親が特性を理解していないと“誤った関わり”になりやすい
- 「普通にできるはず」
- 「努力すればできる」
- 「甘えているだけ」
こうした誤解は、 子どもを追い詰め、二次障害のリスクを高めます。
③ 兄弟間のトラブルは“見えにくく、長期化しやすい”
兄弟間のストレスは、
- 家族が気づきにくい
- 子どもが言語化しにくい
- 外部に相談しにくい
という特徴があり、 強迫・不安・抑うつなどにつながりやすい領域です。
④ 家庭内のストレスは“外在化”にも“内在化”にもつながる
- 暴力・暴言・自傷(外在化)
- 不安・抑うつ・心身症(内在化)
どちらも“困っているサイン”であり、 子どもが悪いわけではありません。
家庭での関わりを整えるために役立つ学び
家庭内のストレスの背景には、 発達特性と関わり方のミスマッチが深く関わっています。
「なぜこの行動が起きているのか」 「どんな関わり方が子どもに合っているのか」 こうした“考え方の軸”があると、 家庭内のストレスを大きく減らすことができます。
児童発達支援士では、 発達特性の理解や家庭での関わり方など、 子どもの心を守るための基礎知識 を学ぶことができます。

まとめ:家庭内のストレスは“深刻な二次障害”につながる
実際の声を整理すると、 家庭内の関係が原因で起こる二次障害は次の4つに集約されます。
- 兄弟関係のストレスが引き金になる
- 親の関わり方の誤りが子どもを追い詰める
- 外在化障害(暴力・暴言・自傷)として現れる
- 内在化障害(不安・抑うつ・心身症)として現れる
家庭内のストレスは、 子どもが悪いのではなく、 特性と関わり方のミスマッチによって生じるストレス反応 です。
気づきと理解が、 子どもの心を守る大切な鍵になります。
>子どもの二次障害の総まとめ|保護者の声と理解のための知識を一挙整理
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、 児童発達支援士の受講者アンケートなどに寄せられた 実際の声 をもとにまとめています。
症状や感じ方には 個人差 があり、 すべての子どもに同じ変化が起こるわけではありません。
心身の不調が続く場合は、 必ず 医療機関や専門家に相談 してください。 この記事は、迷いを整理するための参考情報としてご活用ください。

