「時間になっても動けない」
「約束の時間に間に合わない」
「遊びをやめられない」
時間管理の難しさは、怠けや甘えではなく、“時間が見えにくい特性”と“こだわりの強さ”が重なって起きることが多い です。
この記事では、「時間管理が苦手な理由」「時計を使った時間の可視化」「こだわりを尊重しながら動いてもらう工夫」「協会の独自データから見えた支援のポイント」を分かりやすくまとめました。
目次
時間が守れないのは“怠け”ではない
見通しが立ちにくい
「あとどれくらい?」が分からないと、終わりを受け入れるのが難しくなります。
今の活動に没頭しやすい
興味のあることに深く集中しやすく、切り替えの負荷が大きくなります。
時間の概念がまだ育っていない
「5分」「10分」と言われても、体感として結びつきにくいことがあります。
こだわりが強い
「ここまでやりたい」「この順番じゃないと嫌」など、こだわりが時間の切り替えを難しくします。
>忘れ物・片づけ・時間管理の悩みをまとめて整理|家庭で使える実践支援と独自データから見えたポイント
実際の家庭で見られたケースと背景
実際に寄せられた保護者や支援者の声
実際に児童発達支援士を受講した保護者からは、次のような声がありました。
「ズバリ時計の針の工夫で落ち着きました。最初に『ここまで針がきたら終わり』と視覚重視の声かけをしました。」
背景と専門的な解説
- 抽象的な“時間”を、具体的な“針の位置”に置き換えると理解しやすい
- 終わりの見通しが立つと、切り替えの抵抗が減る
- 視覚情報は、時間感覚が弱い子に特に有効
協会の独自データ

当協会の調査(有効回答21件)では、 こだわりが強く時間を守れない子への対応として 視覚的支援・時計活用が28.6%で最多 でした。
つまり、 「時間を“見える形”にすることが、時間管理の土台になる」 ということです。
>発達障害の特性に応じた支援方策調査【調査報告書④】|一般社団法人 人間力認定協会
家庭でできる時間支援

①時計の針を使って伝える
- 長い針がここに来たら終わりだよ
- この数字になったら出発するよ
「あと5分」よりも、 針と位置で示した方が理解しやすい子は多い です。
②タイマー・砂時計を使う
- タイマーが鳴ったらおしまいね
- 砂が全部落ちたら片づけよう
視覚的に減っていく時間は、 「終わり」がイメージしやすくなります。
③声かけは“短く・具体的”に
- そろそろ終わりにしようか → あと3分で終わりにしよう
- 早くして → 長い針が6になったら靴を履こう
抽象的な言葉より、 「いつ・何をするか」が分かる声かけ が有効です。
④こだわりを“否定せずに”時間とつなぐ
こだわりは、その子にとっての安心材料でもあります。
- このページまで読んだら終わりにしよう
- このブロックをここまで積んだら片づけよう
こだわりをゴール設定に組み込む と、 時間との折り合いがつけやすくなります。
>こだわりが強く時間を守れない子への支援|時計の使い方・声かけ・環境調整を専門家が解説
⑤本人に“時間を決めてもらう”
- 何分だったら終われそう?
- 長い針がどこに来たらやめる?
自分で決めた時間は、 守りやすく、納得感も高い です。
⑥次の楽しみをセットで伝える
- ゲームが終わったらジュース飲もう
- お風呂のあとに絵本を読もう
「終わり」だけを伝えると不安が強くなるため、 “次の楽しみ”とセットで伝える のがポイントです。
⑦予防的な時間設計
- 予定を詰めすぎない
- 疲れやすい時間帯に大事な予定を入れない
- 事前に1日の流れを伝える
時間に追われるほど、 こだわりや癇癪は出やすくなります。
時間管理が“うまく回りやすくなった”支援の共通点
| 効果につながりやすかった工夫 | 背景にあった理由や効果 |
| 時計やタイマーで時間を見える化した | “あとどれくらい”が理解しやすくなっていた |
| 声かけを短く具体的にした | 「いつ・何をするか」が分かりやすかった |
| こだわりを否定せず活用した | 納得感を持って切り替えやすくなっていた |
| 本人にも時間を決めてもらった | “自分で決めた感覚”が行動につながっていた |
| 次の楽しみをセットで伝えた | 「終わり」への不安を減らせていた |
時間のつまずきを整理する“ABC分析”
- A:前の状況(きっかけ)
- B:行動(時間を守れない・動けない)
- C:後の結果(どうなったか)
例: A「急に終わりと言われた」 B「泣き叫ぶ・動かない」 C「出発が遅れる」
→ A(予告不足・見通しの弱さ)を変えることで、行動が変わりやすくなります。

※この記事の内容は、児童発達支援士の受講者アンケートに寄せられた実際の声をもとにまとめていますが、感じ方や変化には個人差があります
児童発達支援士の学びが役立つ理由
時間管理の難しさには、 発達段階・感覚特性・こだわり・環境要因など、複数の要素が重なっています。
「なぜこの子は時間でつまずきやすいのか」 を整理できる“考え方の軸”があると、 感情的に叱る場面が減り、関わりが安定しやすくなります。
児童発達支援士では、 子どもの発達の捉え方や、家庭での関わり方の考え方など、 日々の子育てに活かしやすい基礎知識を学ぶことができます。

相談すべきタイミングの目安
- 時間が守れず、毎日のようにトラブルになる
- 学校や園からも「時間でつまずきやすい」と言われる
- こだわり・癇癪・忘れ物なども同時に気になる
- 本人も「うまくいかない」と落ち込んでいる
こうした場合は、 一人で抱え込まず、専門機関に相談すると安心です。
まとめ:時間管理は“見える化と合意”で変わる
時間が守れないのは、 決して“怠け”でも“甘え”でもありません。
- 時間を見える化する
- 声かけを短く・具体的にする
- こだわりを否定せず、ゴールに組み込む
- 本人にも時間を決めてもらう
- 次の楽しみとセットで伝える
これらを少しずつ積み重ねることで、 時間との付き合い方は確実に変わっていきます。
「昨日より少しうまくできたかな」 その一歩が、子どもの自信と安心につながります。

