職場で起こるカサンドラ症候群|同僚・上司・部下との関係で生じるストレスを整理

カサンドラ症候群は、 配偶者や家族だけでなく、職場の人間関係でも起こりうる状態 です。 発達特性のある同僚・上司・部下とのコミュニケーションが噛み合わず、 理解されない状態が続くことで、心身に大きな負担がかかります。

私は協会の事務局長として、延べ5万人以上の保護者・支援者が学ぶ場の運営に関わる中で、 「職場での関係が原因で体調を崩した」 「家庭よりも職場の方がつらかった」 という声を多く聞いてきました。

この記事では、 実際にカサンドラ症候群を経験された方から寄せられた声(一次情報) 職場におけるカサンドラ症候群を理解するための知識 を分けて整理します。

>カサンドラ症候群から抜け出す・悪化させないための方法|保護者・支援者の声と理解のための知識を整理

カサンドラ症候群に関する調査概要

  • 調査名:カサンドラ症候群に関する調査
  • 調査目的:カサンドラ症候群に関する実態と二次障害との関連性を把握するため
  • 調査対象:発達障害のある子どもを支援する保護者・支援者
  • 有効回答数:36名
  • 調査方法:Webアンケート調査
  • 募集期間:2022年11月~2025年9月(継続的な調査)
  • 調査主体:一般社団法人 人間力認定協会
  • 作成責任者:事務局長 望月宏彰

>調査主体団体|一般社団法人 人間力認定協会 公式サイト

職場で生じたストレス要因

職場で生じたストレス

実際に協会に寄せられた声を分析すると、 職場でのカサンドラ的ストレスは大きく4つに分類できます。

① 指示が通らない・注意しても改善しない

「部下が無診断だが特性が出ており、注意しても変わらず忘れてしまう」
「話が噛み合わず、何度説明しても理解されない」

業務が進まないだけでなく、 “自分の伝え方が悪いのでは”と自責感が強まるケースもあります。

② 負担が一人に集中する(職場版ワンオペ)

「他のスタッフが私ばかりに任せる部分にも腹が立つ」
「周囲が理解せず、全部自分にしわ寄せが来る」

職場での役割が偏ることで、 疲労とストレスが蓄積しやすくなります。

③ 身体症状・精神症状が悪化する

「めまい、頭痛の頻度が増えた」
「イライラし始めた」
「息苦しさ、不眠、体重減少」

職場のストレスは、 家庭以上に身体症状として現れやすい傾向があります。

④ 距離を取る・関わり方を変えることで改善したケース

「わかりやすく言葉を選ぶようにした」
「なるべく関わらないようにしている」
「2人以上で対応するようにしている」

関わり方を工夫することで、 ストレスを軽減できたという声も複数ありました。

>カサンドラ症候群とは|気づきの瞬間と背景にあるストレスを整理する

職場でカサンドラ状態が深刻化しやすかった背景の共通点

職場で起きやすかったストレス背景にあった環境や関係性
指示が通らず疲弊する認知や理解のズレが積み重なっていた
一人に業務負担が集中する周囲が状況を把握できていなかった
頭痛・不眠・息苦しさが出る“逃げ場の少なさ”が負荷を強めていた
「自分の伝え方が悪い」と責める関係性のズレを一人で抱え込んでいた
距離や役割調整で改善しやすくなる関わり方の工夫が負担軽減につながった

職場でのカサンドラ症候群を理解するための知識

ここからは、職場でカサンドラが起こりやすい理由を整理します。

① 発達特性は“仕事の進め方”に大きく影響する

ASD・ADHD特性は、

  • 指示の理解が難しい
  • マルチタスクが苦手
  • 優先順位づけが苦手
  • 状況を客観視しにくい

といった形で業務に影響します。

これが、 「伝わらない」「何度言っても改善しない」 という状況につながります。

② 認知のズレが“責任の偏り”を生みやすい

発達特性のある同僚・部下・上司は、

  • 自分のミスに気づきにくい
  • 言われたことを忘れる
  • 状況判断がズレる

といった傾向があり、 結果として周囲の負担が増えやすくなります。

③ 職場は“逃げ場が少ない”ためストレスが蓄積しやすい

家庭と違い、

  • 業務上の関わりが避けられない
  • 役割が固定されている
  • 責任が明確に求められる

という環境のため、 ストレスが強く、身体症状として現れやすくなります。

④ 距離の取り方・関わり方の工夫が効果的

一次情報でも、

  • 言葉を選ぶ
  • 2人以上で対応する
  • 関わる時間を減らす
  • 業務の分担を見直す

といった工夫が効果的だったという声が多く見られました。

家庭での関わりを整えるために役立つ学び

職場でのカサンドラ症候群の背景にも、 発達特性によるコミュニケーションのズレが深く関わっています。

「なぜこの行動が起きているのか」 「どんな伝え方が相手に合っているのか」 こうした“考え方の軸”があると、 職場でのストレスを軽減しやすくなります。

児童発達支援士では、 発達特性の理解や関わり方の工夫など、 職場のコミュニケーション改善にも役立つ基礎知識 を学ぶことができます。

児童発達支援士バナー

まとめ:職場でも“理解されない関係性”がカサンドラを引き起こす

実際の声を整理すると、 職場でのカサンドラ的ストレスは次の4つに集約されます。

  • 指示が通らない・注意しても改善しない
  • 負担が一人に集中する(職場版ワンオペ)
  • 身体症状・精神症状の悪化
  • 距離を取る・関わり方を変えることで改善するケース

職場は逃げ場が少ないため、 ストレスが深刻化しやすい環境です。

無理に抱え込まず、 関わり方を工夫しながら、 必要に応じて相談先につながることが大切です。

>カサンドラ症候群の総まとめ|保護者・支援者の声と理解のための知識を一挙整理(Q&A付き)

【注意事項】

この記事で紹介している内容は、 児童発達支援士の受講者アンケートなどに寄せられた 実際の声 をもとにまとめています。

カサンドラ症候群の感じ方や症状には 個人差 があり、 すべての人に同じ変化が起こるわけではありません。

心身の不調が続く場合は、 必ず 医療機関や専門家に相談 してください。 この記事は、迷いを整理するための参考情報としてご活用ください。

一般社団法人 人間力認定協会 理事・事務局長 望月宏彰

執筆者

一般社団法人 人間力認定協会 事務局長
望月 宏彰

【プロフィール】
一般社団法人 人間力認定協会 理事・事務局長の望月 宏彰です。3児の父。「児童発達支援士」など各種資格を通じて延べ5万人以上の支援をサポート。「日本の資格・検定」アワードにて「児童発達支援士(2022年)」および「メンタルヘルス支援士(2026年)」の受賞実績を有しています。 当サイトでは、最新の療育情報や現場で役立つ支援に関する知識、施設選びに役立つ透明性の高い情報を配信しています。

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