「子どもにどう伝えればいいの?」
「嫌がられたらどうしよう」
「どこまで説明すべきなのか分からない」
通級・支援級・特別支援学校を検討するとき、 “子どもへの伝え方” は多くの保護者が悩むポイントです。
私は協会の事務局長として、延べ5万人以上の保護者・支援者が学ぶ場の運営に関わる中で、 「どう伝えたらスムーズだったか」「どんな反応があったか」 というリアルな声を数多く聞いてきました。
この記事では、 実際に特別支援教育を利用された保護者の声(一次情報)をもとに、子どもへの伝え方と反応を体系的に整理します。
目次
特別支援教育の利用に関する調査概要
- 調査名:発達障がい児の特別支援教育の利用に関する実態調査
- 調査目的:特別支援教育利用の実態を把握するため
- 調査対象:発達障害のある子どもを支援する保護者
- 有効回答数:63名
- 調査方法:Webアンケート調査
- 公開日:2025年11月1日
- 募集期間:2022年8月~2025年5月(継続的な調査)
- 調査主体:一般社団法人 人間力認定協会
- 作成責任者:事務局長 望月宏彰
>発達障がい児の特別支援教育の利用に関する実態調査【調査報告書③】|一般社団法人 人間力認定協会
子どもへの伝え方は大きく4タイプに分かれる

実際に寄せられた保護者や支援者の声を分析すると、 保護者の伝え方は次の4つに分類できます。
①シンプルに伝える(最も多いパターン)
細かい説明をせず、 短く・分かりやすく・負担のない言葉 で伝える方法。
実際に寄せられた保護者や支援者の声
「少ないところでお勉強しようね、くらいでした」
「週に一度こういうところでお勉強したり遊んだりするよ、と伝えた」
「見学した学校に行くよ、とだけ伝えた」
- 低学年の子に特に有効
- 不安を煽らない
- 抵抗が少ない
- “説明しすぎない”ことがポイント
②メリットを伝える(安心感を与える)
子どもが安心できるよう、 良い点・楽しい点・サポート内容 を伝える方法。
実際に寄せられた保護者や支援者の声
「先生が2人いるよ」
「分からないところをゆっくり教えてもらえるよ」
「落ち着ける場所があるよ、と伝えた」
- 不安が強い子に効果的
- “できるようになる未来”をイメージしやすい
- 子どもが前向きになりやすい
③子どもに選ばせる(自分で決めることで適応が早い)
選択肢を提示し、 子ども自身に選んでもらう方法。
実際に寄せられた保護者や支援者の声
「人数が多い場所と少ない場所どっちがいい?と聞いたら、迷わず“少ない場所”と答えた」
- 自分で決めたという実感がある
- 適応が早く、安定しやすい
- 高学年や自己主張が強い子に向いている
④見学してから伝える(理解しやすい)
まず見学し、 実際の環境を見たうえで伝える方法。
実際に寄せられた保護者や支援者の声
「見学した学校に行くよ、と軽く言っただけ」
「本人は見学していたので納得していた」
- 言葉より“体験”で理解できる
- 不安が強い子に特に有効
- 事前に安心感をつくれる
※この記事の内容は、児童発達支援士の受講者アンケートに寄せられた実際の声をもとにまとめていますが、感じ方や変化には個人差があります
子どもが受け入れやすかった“伝え方”の共通点
| 子どもが受け入れやすかった工夫 | 背景にあった理由や効果 |
| 短くシンプルに伝える | 情報量を減らすことで混乱しにくかった |
| メリットや安心感を先に伝える | 「怖い場所ではない」と理解しやすかった |
| 見学してから説明する | 実際に体験することで納得しやすかった |
| 子ども自身に選ばせる | “自分で決めた感覚”が安心につながった |
| 不安な気持ちを先に受け止める | 抵抗感や緊張が和らぎやすかった |
子どもの反応は大きく3パターン
一次情報を分析すると、反応は次の3つに分類できます。
①すんなり受け入れる
実際に寄せられた保護者や支援者の声
「あまり理解していなかったが、嫌がらなかった」
「そうなんだー、くらいの反応」
「すんなり受け入れていた」
- 低学年に多い
- シンプルな説明で十分
- 見学があるとさらにスムーズ
②最初は抵抗するが、慣れると安定する
実際に寄せられた保護者や支援者の声
「最初は抵抗があったが、見学で理解して馴染んだ」
「初めての場所が苦手なので、最初は不安があった」
- “初めての場所が苦手”な子に多い
- 慣れるまでのサポートが重要
- 先生との相性が大きく影響
③理解が進むと疑問を持つ
実際に寄せられた保護者や支援者の声
「なぜ自分は学校をふたつ行かないといけないのか、と聞かれた」
「自立が進むと支援クラスにいる理由を考えるようになった」
- 高学年・中学生に多い
- “本人の納得”が重要
- 視覚的説明や対話が必要になる
子どもへの伝え方で大切な3つのポイント
一次情報をすべて分析した結果、 共通して重要なのは次の3つです。
① 説明は短く・分かりやすく
長い説明は混乱のもと。 一次情報でも「短く伝えた」が圧倒的多数。
② 子どもの不安を先に拾う
- 初めての場所が苦手
- 先生との相性が心配
- 友だち関係が不安
こうした不安を先に言語化してあげると、受け入れやすい。
③ 子どもの意見を尊重する
実際に寄せられた保護者や支援者の声でも、 「子どもの意見を尊重してほしい」 という声が非常に多かったです。
特別支援教育の効果を最大化する“親の関わり方”
特別支援教育の支援は、学校での取り組みだけでなく、 家庭での関わり方によっても、子どもの安心感や成長がより深まります。
たとえば、子どもが「できた」と感じられる場面を家庭で少し増やしてあげたり、 苦手な行動の背景にある理由を丁寧に見つめてあげたりすると、 学校での学びがよりスムーズにつながっていきます。
実際に児童発達支援士を受講した保護者からは、次のような声がありました。
「叱る前に、理由を考えられるようになった」
「家庭でできる関わり方が具体的だった」
「親としての不安が、少し軽くなった」
行動の背景に目を向けられるようになると、家庭での関わり方が安定し、 子どもも安心しやすくなります。 また、特性理解が深まることで、子どもへの向き合い方に余裕が生まれることもあります。
こうした視点や声かけの工夫は、児童発達支援士の学びにも通じる部分が多く、 家庭でのサポートがよりやりやすくなると感じる保護者の方もいます。

まとめ:伝え方に“正解”はないが、子どもの安心が最優先
通級・支援級・特別支援学校のどれを選ぶにしても、 子どもが安心して過ごせることが最優先。
- シンプルに伝える
- メリットを伝える
- 子どもに選ばせる
- 見学してから伝える
大切なのは、 子どもの特性に合わせて伝え方を選ぶことです。

