児童発達支援士は、現職でのスキルアップだけでなく、転職やキャリアチェンジを見据えて受講する方も多い資格です。実際にどのようなタイミングで、どう活かされているのでしょうか。
たとえば、
- 未経験の分野への転職に向けて、事前に学びを整える人がいる
- 転職後、即戦力として学びを活かそうとする声がある
- 資格取得が、転職を思いとどまり、現職に留まる決断につながったケースもある
- 介護離職後の再就職に備えて、学び直す人もいる
といった実例です。
児童発達支援士は、「これから」の転職準備にも、「今」の職場での再確認にも、それぞれ違った形で役立てられている資格です。
この記事では、当協会が収集した受講後アンケート(17,613件)のうち、転職・キャリアチェンジに関する回答をもとに、児童発達支援士がどのように活かされているかについて整理していきます。
>児童発達支援士は「受講してよかった」と言われる資格か?満足度データで見る実態|受講者の声データシリーズ
目次
本記事で紹介している一次情報について
本記事では、当協会が実施している受講後アンケートのデータのうち、転職・キャリアチェンジに関する自由記述をもとにしています。
| 項目 | 内容 |
| データソース | 児童発達支援士 受講後アンケート |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 有効回答数 | 17,613件(2021年1月~2026年7月) |
| 該当する自由記述 | 「転職」「就職活動」「キャリアチェンジ」などのキーワードを含む自由記述、32件 |
| 分析方法 | 転職・キャリアチェンジに関する自由記述のうち、具体的な活用場面に関する記述を抽出 |
未経験の分野への転職に向けて、事前に学びを整える
発達支援とは異なる分野で働いている方が、転職を見据えて事前に知識を整えるために受講するケースが見られます。
実際の自由記述にも、そうした準備に関する声が見られました。
現在、リハビリの仕事をしています。数年以内に発達障害領域への転職を考えているため、今回受講させていただきました。発達障害の知識や関わりなど学生時代の座学や実習でストップしていたのですが、テキストやDVDなどでおさらいしつつ、新しく知識として吸収することができました。
理解を深める事ができ、満足しています。療育などを行う事業所への転職を考えているので、この資格を有効活用できるように、更に学びを深めていけたらと思います。
これらの声からは、実際に転職する前の段階から、計画的に知識を整えようとする姿勢が見えてきます。
- 転職を決断する前の段階から、準備として受講する人が一定数いる
- 学生時代の知識を「おさらい」しながら、最新の内容を学び直す例もある
- 資格を「有効活用」しようという意識が、その後の学びへの意欲にもつながっている
- 未経験の分野への転職には、事前の知識整理が安心材料になる
転職前の準備段階での学びは、新しい分野に飛び込む際の、心強い土台になります。
転職後、即戦力として学びを活かす
転職が決まったタイミングで受講し、新しい職場ですぐに学びを活かそうとする声も多く見られます。
実際の自由記述にも、そうした声がありました。
児童発達支援士に続き、発達障害コミュニケーションサポーターを受験させていただきます。保育園の保育士から転職し、4月から児童デイサービスに勤務します。学んだことを最大限に生かし、子ども達に寄り添って頑張りたいと思っています。
児童発達支援の仕事に転職しました。これからも、子どもたちのために、しっかり支援できるよう努めてまいりたいと思います。
これらの声からは、転職という新しい環境に向けて、複数の資格を組み合わせながら準備を整え、決意を持って新しい仕事に臨もうとする姿勢が伝わってきます。
- 転職のタイミングに合わせて、複数の資格をまとめて取得する例もある
- 「最大限に生かしたい」という言葉に、新しい仕事への意欲が表れている
- 転職先が決まってからも、学び続ける姿勢が大切にされている
- 新しい職場での実践を見据えた、具体的な目標意識がうかがえる
転職と同時期の学びは、新しい環境でのスタートを、より確かなものにする力になります。
>放課後等デイサービス・児発事業所で働く人が感じた変化|受講者の声データシリーズ
資格取得が、転職を思いとどまる決断につながることも
受講をきっかけに、転職を考えていた気持ちが変化し、現職に留まる決断をした例もあります。
実際の自由記述にも、そうした心境の変化に関する声が見られました。
勤めている職場が森信三先生の教え、立腰教育を柱にしている園なので、テキストを読み進めていてとても運命を感じました。転職も考えていた矢先の学びだったのですが、園の教育は間違えていない、と思い、もう少し踏みとどまることにしました。園には対応に困る子どもが数人いますが、自己肯定感の大切さを初めて学び、職場でも色々と考えて手を差し伸べる意識が出てきました。
この声からは、転職を考えるほどの迷いを抱えていた状況の中で、学びを通じて、今いる職場の教育方針への納得感を再確認できたことが分かります。
- 学びが、必ずしも「転職を後押しする」方向だけに働くとは限らない
- 現職の方針を見つめ直すきっかけとして、学びが機能することもある
- 「踏みとどまる」という選択も、前向きなキャリアの決断の一つである
- 学びを通じて、職場への向き合い方そのものが変わることがある
児童発達支援士の学びは、転職という選択肢だけでなく、今の職場に留まるという選択を後押しすることもあります。
介護離職後の再就職に備えて、学び直す人もいる
介護離職を経験した後、将来の再就職に向けて、児童発達支援士の学びを役立てようとする例も見られます。
実際の自由記述にも、そうした声が見られました。
長年療育に従事してきましたが、この春介護離職をしました。将来再就職する際に役立つように、児童発達支援士の資格を取ること、発達障害の知識や療育方法を改めて確認することを目的として学びました。介護しながらでも、空いた時間に学べるシステムは有り難いです。
この声からは、介護という事情でキャリアを一時中断した方にとって、将来の再就職に備えた学びの機会として、児童発達支援士が活用されていることが分かります。
- 介護離職など、やむを得ない事情でキャリアを中断する方も少なくない
- 「将来のため」という長期的な視点で、学びを継続する姿勢が見られる
- 空いた時間で学べる仕組みが、こうした状況にある方にとって助けになっている
- 長年の経験を持つ方にとっても、知識の「再確認」としての価値がある
介護と仕事の両立という難しい状況にあっても、将来を見据えて学び続ける姿勢が、次のキャリアへの土台を築いています。
転職・キャリアチェンジをめぐる声の整理

| 場面 | 見えてきたこと |
| 転職前の準備 | 未経験分野への転職に向け、計画的に知識を整える |
| 転職後の実践 | 新しい職場で、学びを即座に活かそうとする |
| 現職への再確認 | 学びが、転職ではなく「留まる」決断を後押しすることもある |
| 介護離職後の備え | 将来の再就職を見据え、長期的な視点で学び続ける |
児童発達支援士について
ここまで、転職・キャリアチェンジに児童発達支援士をどう活かしたかについてご紹介してきました。
当協会が認定する「児童発達支援士」は、発達特性の理解や、行動の背景を読み解く視点、家庭や支援現場で活かしやすい関わり方などを、体系的に学べる民間資格です。
転職やキャリアチェンジを考える方にとって、事前の準備としても、転職後の実践力としても、幅広く活用されています。
Q&A|転職・キャリアチェンジへの活用に関するよくある質問
Q1:未経験の分野に転職する前に、受講しておいたほうがよいですか?
事前に基礎知識を整えておくことで、転職後の不安を軽減できる可能性があります。実際に、転職前の準備として受講している方も多く見られます。
Q2:転職と同時に、複数の資格を取得する人もいますか?
います。児童発達支援士と発達障害コミュニケーションサポーターなど、複数の資格を組み合わせて取得する例が見られます。
Q3:受講したら、必ず転職すべきということはありますか?
そうではありません。実際の声にも、受講を通じて現職の方針への納得感を再確認し、転職を思いとどまったという例があります。
Q4:介護などでキャリアを中断していても、受講できますか?
はい。空いた時間で学べる仕組みを活かし、将来の再就職に備えて学んでいる方もいます。
Q5:転職を考えていますが、何から始めればよいですか?
まずは基礎知識を整理することから始めるのも一つの方法です。ご自身の状況に合わせて、無理のないペースで学びを進めてください。
まとめ|転職の「準備」にも「決断の見直し」にも役立つ学び
転職・キャリアチェンジに関する受講後アンケートを見ると、児童発達支援士の学びが、さまざまな場面で活用されていることが分かりました。
- 未経験の分野への転職に向けて、事前に学びを整える人がいる
- 転職後、即戦力として学びを活かそうとする声がある
- 資格取得が、転職を思いとどまる決断につながることもある
- 介護離職後の再就職に備えて、学び直す人もいる
次回は、児童発達支援士に合格するまでの学習法・勉強時間のリアルについて紹介していきます。
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、当協会が実施した受講後アンケート(17,613件)のデータをもとにまとめています。データは当協会が独自に収集・集計したものであり、回答は受講者の主観的な評価に基づきます。


